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F A V O R I T E ー A L B U M S 1 4 [f a v o r i t e s]

  • MARGEM (Sony Music 2019) Adriana Calcanhotto


  • 水面に浮ぶ夥しいペットボトルに蝟集された短髪女性。アドリアーナ・カルカニョットの10thアルバムは「海」をテーマにした3部作の最終章‥‥《Maritmo》(1998)、《Maré》(2008)に続くアルバムはカヴァ2曲を含む全9曲・28分とコンパクトだが、稠密なポリリズムで魅了する。バックはBen Gil率いるTonoの3人で、彼女のセルフ・プロデュース。自ら髪を切って丸める〈Margem〉、部屋と自分自身を青い塗料で塗りたくる〈La La La〉などのPV6曲も充実している 272



  • HOT KATS (Chinese Man 2019) Baja Frequencia


  • バハ・フレケンシア(Baja Frequencia)は仏マルセイユの男性デュオ、AzuleskiとGoodjiu。EP《Catzilla》 (2017)に続くデビュー・アルバムも「猫ジャケ」(Frank Zappa《Hot Rats》(1969)のパロディ)だった。クンビア、アフロ、レゲエ、ヒップホップなどを混ぜ合わせたトロピカル・ベース・ミュージック。〈Windrush Scandal〉にはジャマイカの女性歌手Warrior Queen、〈Crisis〉にはキューバの女性ラッパー La Dame Blancheなど多彩なゲスト・ヴォーカルが参加 271



  • PRACTICE CHANTER (Le Saule 2019) Leonore Boulanger


  • レオノール・ブーランジェの4thアルバム。Juana Molinaを解体して再構成したような摩訶不思議な世界。シャンソン、民族音楽、現代音楽をコラージュしたアヴァン・ポップ。Leonore Boulangerの「もう1つの顔」Jean-Daniel Bottaとの共作。「あらゆる声域で、あらゆる言語で、絶えず歌っていることが好き」と語るように〈Chant Tomodachi〉は日本語で歌われる。変幻自在の人懐っこいヴォイスに魅惑される。クレア・モレルの描画「箱女」も謎めいている。見開き紙ジャケ仕様 270



  • SOLILOQUY (Barclay 2019) Lou Doillon


  • Jane Birkinの末娘Lou Doillonは若い頃の母親に生き写しだが、母譲りのウィスパー系ヴォイスを期待すると一蹴される。女性ロッカー並みの凄みを秘めたヴォーカルなのだから。フレンチ・ポップには不向きな声質のためか、3rdアルバムもロック色が濃く、サウンドもハードではないけれどヘヴィ。暗鬱な色調の中で、Cat Powerとデュエットした〈It's You〉だけはアルバム・カヴァのような淡い色彩で描かれる。彼女の作詞作曲による全12曲・40分。歌詞ブックレット(16頁)付き 269



  • WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? (Darkroom 2019) Billie Eilish


  • 英ノリッジの少女デュオLet's Eat Grandmaに続いて、米LAから十代のSSWがデビューした。映画「エクソシスト」を想わせる白目少女のカヴァ、小悪魔風のヴォイス、低音を強調したサウンド‥‥これがBillie Eilishのアイディアならば見上げたものだが、良くも悪くも裏で少女を操る男の影が見え隠れすると訝しんだら、兄(Finneas O'Connell)の全面プロデュースだった。多感な17歳の今をクールに歌う、全14曲・43分。三面デジパック仕様で、歌詞はインナーに記載されている 268



  • GRID OF POINTS (Kranky 2018) Grouper


  • Grouperの11thアルバムは全7曲・22分。PitchforkやNMEなどのレヴューも判を押したように「22-minutes」と書いている。レヴュワーもリスナーもレーベルも困惑しているようだが、Liz Harris本人は一週間半のレコーディング中に高熱を発して、突然中断されたことが兆候となり、短いままで完成したと述べている。《Ruins》(2014)の続編的な内容で、全編ピアノの弾き語り。意趣返しなのか、別名義Nivhekの《After Its Own Death》(2019)はタイトルも収録時間も長い 267



  • MANOS DE CIELO (2017) Milagros Majo


  • ミラグロス・マホ(Milagros Majo)はブエノス・アイレス生まれの女性SSW。デビュー・アルバムは彼女のンゴニ、チャランゴ、クリスタロフォン(Cristalofón)、口琴(Arpa de boca)、クラシック・ギター(Guitarras Criollas)に、ギター、ベース、ピアノ、ヴィオラなど‥‥アフリカや南米の楽器の優しい音色に可愛らしいヴォーカルが戯れる。Ezequiel Borra(ギター)でゲスト参加。両手を上げたカヴァ・イラストも彼女が描いている。見開き紙ジャケ、全10曲・31分 266



  • BUOYS (Domino 2019) Panda Bear


  • アニコレと判別がつかないこともあったけれど、Panda Bear (Noah Lennox)の6thソロ・アルバムは趣きが異なる。大海原を自由に泳ぐイルカのように、オートチューンが音像空間を揺蕩う〈Dolphin〉。星間戦争ゲームみたいな〈Cranked〉 ‥‥人懐っこい電子音とアクースティック・ギターの融合はフリー・フォークの最新進化型。ダブ空間を浮游するヴォーカルに身を任せていると、躰の輪郭が曖昧なって溶け出してしまいそう。銀河の壺直し職人ジョー・ファーンライトのように 265



  • REMIND ME TOMORROW (Jagjaguwar 2019) Sharon Van Etten


  • 2017年に男児を出産して母親になったSharon Van Ettenの5thアルバム。2人の子供が散らかした「ゴミ部屋」のアルバム・カヴァは映画監督キャサリン・ディークマン(Katherine Dieckmann)が15年前に撮った写真。John Congletonのプロデュース、Jamie Stewart(Xiu Xiu)、Stella Mozgawa (Warpaint)などが参加したサウンドはダビーでダークでダンサブル。幽霊が出て来そうな黙示録的な空気感を《Double Negative》(2018)と共有するというレヴューもあった 264



  • SPRAINED ANKLE (6131 2015) Julien Baker


  • 「挫いた足首」は米テネシー・メンフィス生まれの女性SSWのデビュー・アルバム。大学在学中に書いた曲をヴァージニア・リッチモンドのスタジオで録音。1人多重唱の〈Brittle Boned〉とバスドラの入った〈Vessel〉の2曲は後にレコーディングされた。ラストのピアノの弾き語り〈Go Home〉を除き、彼女のヴォーカルとギターだけのシンプルなサウンドだが、切々と吐露される無垢で可憐なヴォイスに魅了される。全9曲・34分。三面紙ジャケ仕様、歌詞はインナーに記載 263



  • LOS ANGELES (Universal 2017) Rosalia


  • ロサリア(Rosalia)のデビュー・アルバムはRaul Refreeのプロデュース。彼のギターだけの伴奏で、死をテーマにしたフラメンコの古典を歌うコンセプト・アルバム。ラスト曲のWill Oldham(Bonnie "Prince" Billy)の〈I See A Darknes〉を除き、スペイン語で歌っている。彼女の内に秘めたパッションはパンキッシュでクール。「LOS ANGELES」というアルバム・タイトルは「天使たち」という意味。全12曲・49分。見開き紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(12頁)付きです 262



  • QUIET SIGNS (City Slang 2019) Jessica Pratt


  • ジェシカ・プラット(Jessica Pratt)の3rdアルバムは初のスタジオ録音。全9曲・28分という小品ながら、白昼夢のようなシュールでサイケデリックな夢幻世界を紡ぎ出す。ジョン・カサヴェテスの映画 「Opening Night」(1977)からタイトルを採ったというMatthew McDermottのピアノによるインスト曲で幕を開ける。彼女のギターにオルガン、フルートなどの簡素な伴奏で歌う蠱惑的なヴォイスは唯一無二。童女にも魔女のようにも聴こえる。デジパック仕様、4折り歌詞カード付き 261


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