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ネコ・ログ #52 [c a t a l o g]

  
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  • 抜群に気立てが優しく、穏やかなスコティッシュ・フォールドは、スコットランドの羊飼いによって1961年に発見された。前方に折れ曲がった、今までに見たこともないような耳を持つ、1匹の白いメス猫が生まれてきたのだ。そのような耳のせいか、その子猫はまるでフクロウのように見えたという。この原型の猫の子孫である1匹のオス猫が「スノードリフト( 雪の吹きだまり)」と名付けられ、この品種の始祖となった。イギリスではスコティッシュ ・フォールドをめぐって論争が巻き起こったため、1970年代、その繁殖計画は最終的にアメリカに渡る。そこで、スコティッシュ ・フォールドが歓迎され、間もなくして1978年にはチャンピオンシップ・ステータスに認定された。狩猟能力が高く、子供たちの相手もとてもうまい。また、我慢強く落ち着いた気質で、人との交流が大好き。新しい環境や他のペットへの順応力も高い猫だ。
    レイチェル・ヘイル・マッケナ 「スコティッシュ・フォールド(チョコレート)」


  • #460│パット│地域猫 ── 赤い足拭きマット
    M手線駅前の繁華街は例外なく建て込んでいるので、店舗と店舗の隙間は超狭い。住宅地の民家ならば入り込める露地も駅前では難しい。セキュリティ対策のためなのか、金網で封鎖され、扉に鍵が架けられて関係者以外立入禁止なっている露地も少なくない。人は通れないけれど、ネコならば易々と通り抜けられる文字通りのキャットウォークである。ある飲食店前の赤い足拭きマットに白黒ネコが鎮座していた。宥め賺して何とか1枚撮ったものの、いわゆる「看板猫」のような愛想の良いネコではなかったらしく、狭い路地の奥へ逃げ去ってしまった。こうなったら諦めるしかない。無闇にネコの後を追って行けば茨道‥‥寺山修司みたいな不審者として通報されてしまうのがオチであろう。数年前にも同じロケーションで赤い絨毯マットの上のネコを撮った記憶があるけれど、確認したら他の店舗の前にいた「看板ネコ」だった。

    #461│サイ│飼い猫 ── ネコ団長は九回生きる
    エラリイ・クイーンの「九尾の猫」(Cat of Many Tails 1949)はシリアル・キラーものの嚆矢である。もちろん「モルグ街の殺人」や「まだらの紐」のように動物が殺人犯というわけでもないし、猫又のような妖怪でもない。NY市を震撼させた連続絞殺魔が〈猫〉という渾名で呼ばれていたのだ。「九尾の猫」という邦題は9人の犠牲者を暗示しているが、「猫に九生有り」 という諺と「9本の尻尾」に何か関係性あるのかどうかは分からない。リードで繋がれているサイちゃんは室内で飼われているネコ。玄関のドアを内側から引っ掻いて外へ出ようとするので、ドアを半開きにしているという。玄関前を見知らぬ人が通ると直ぐ屋内に引っ込んでしまうが、顔見知りの人には親しげに戯れつく。勢い余って、肩や頭の上に乗りたがるのはフェンスで覆われた外の景色を見たいからかもしれない。村上春樹の「騎士団長は二度死ぬ」けれど、九尾のネコ団長は九回生きるのだ。

    #462│ミス│飼い猫 ── フクロウに似ている?
    スコティッシュ・フォールドのミスちゃんとは大の仲良し。屋内にいても外から猫語で呼びかければ、玄関のキャットスルー(猫用出入口)からミャーミャー鳴きながら出て来る。耳が折れていても聴覚の妨げにはないらしい(2階への階段を昇っていたミスちゃんが急に踵を返して外へ駆け出して行ったと飼主が話してくれた)。数多く撮っているので、普通のスナップショットでは物足らない。より可愛い表情を撮りたいと思うようになった。暗くなると黒目が大きくなって少女マンガのヒロインのように可愛くなるけれど、逆に感度が低下してシャッター・スピードも遅くなる。解像度も落ちて鮮明な写真が撮り難い。手ぶれやピンボケ写真になってしまう確率も増す。画質と可愛らしさの兼ね合いが難しいのだ。この写真は土塀(小豆色)と砂利(黒灰色)の背景と三毛ネコのコントラストやバランスも申し分ない。オリジナル画像を自動補正して明度を上げているが、標準ズーム・レンズではこれが限界かもしれない。

    #463│アオ│ノラ猫? ── ブルー・ニャン・ウェイ(ニャートルズ)
    〈Blue Jay Way〉は米カリフォルニア・ロサンゼルスに滞在していたジョージ・ハリソンが友人の訪問を待つ間に、借家のハモンド・オルガンで作った曲。「LAに霧が立ち籠めて、僕の友達は道に迷ってしまった」(There's a fog upon L.A. And my friends have lost their way)と冒頭の歌詞にあるように、いつまで経っても姿を現さない友人夫妻を待つ心境が歌われている。霧の中で迷子になってしまった不安と、その安否を気に懸けながら待ち続ける心情が夢の中の出来事のように渾然と溶け合っている。アオちゃんは美しい毛並みのロシアンブルー。黄昏時のパトロールなのか、ブルーグレーに染まった通り路を散策していた。左上に黄色く灯っている植込みのフットライトが夕暮れであることを表わしている。ロシアンブルー独特の色合いと通り路のブルーグレーが混じり合って、夢幻的な世界を醸し出している。アオちゃんの後に尾いて行けば、別世界へ旅立てるかしら?

    #464│リリ│飼い猫 ── 3匹目のスコちゃん
    数多くの外ネコたちを撮って来たけれど、耳の折れたスコティッシュ・フォールドと道端で出遭うことは稀である。珍しい品種なので室内飼いをしていて、滅多に外へは出さないからだろうか、今までに3匹しか出合ったことがない。十年前にS神井川沿いの公園で出合った「ペタちゃん」は初対面なのに人懐っこいネコだった。水飲み場に誘って、蛇口から水を出してと請う。トカゲに夢中になっているところを中断させて、ベンチに抱いて行っても嫌がらない。通りかかった人が足を止めて愛でるほどの人気者だった。2匹目は何度も紹介しているの三毛スコのミスちゃん。リリちゃんは3匹目のスコティッシュ・フォールドだった。ペタと良く似たサバトラ(白黒灰縞)だが性格は真逆。警戒心が強くて、カメラを向けると直ぐに逃げ去ってしまう。スコティッシュ・フォールドは人懐っこい天然ボケという認識を改めなければならない。ペタと同じように首輪に鈴が付いているので、植込みに隠れていても居場所が分かるのが唯一の救いである。

    #465│ラブ│ノラ猫 ── フラッシュ撮影は禁止です
    夜の公園でフラッシュ撮影を咎められたことがある。当時はコンデジ(cyber-shot)でネコを撮っていたので、フラッシュは必須アイテムだったが、ネコの目に悪影響を与えることを知り、ネコ撮り用のカメラをミラーレス(NEX-5)に買い替えてからは1度も使ったことはない。夜行性のネコの活動には興味があるけれど、夜中にネコを撮ろうとは思わない。不審者と間違えられるリスクもあるし、身に危険が及ぶ可能性も高いから。東北本線沿いの歩道に1匹のチャトラがいた。右耳先がカットされているので、ノラ猫ではないかと思われる。この周辺を通りかかっても日中は見かけず、陽が暮れてから姿を現わすことが多い。夜の撮影なので光源は防犯灯だけである。もちろんフラッシュは使っていない(付属のフラッシュを持ち歩いたことがない)。罅割れたアスファルトに横たわるラブちゃんの黒目の大きさが周囲の暗さを物語っている。

    #466│ノル│飼い猫 ── ノルウェーの森のネコ?
    数年前に写真を撮ったことのあるロシアンブルーと再会した。アオちゃんの後を追って行くと、その先に3匹のネコたちが屯していた。これが噂の「猫の集会」なのかと胸躍る。ノルウェージャン・フォレスト・キャット風の長毛種、アメショーっぽい白黒灰縞、そしてサバトラのスコティッシュ・フォールド!‥‥個性的な3匹は共に首輪をしている飼いネコだった。「Norwegian Forest Cat」で画像検索すると、常連のロンちゃん似の長毛種が次々に表示される。そうか、ロンちゃんはノルウェーの森のネコだったのか、厳寒の地域でも生き抜けるような長毛種だったのかと少し安堵した。房々の冬毛になって、丸々と太った姿は野性のタヌキのように見えなくもない。大柄のノルちゃんも暖かそうな長い毛並みで、おっとりした性格。少々のことには物怖じしない体躯は頼もしい。

    #467│アキ│飼い猫 ── 哀愁の秋ネコ
    久々に会いに来た三毛スコちゃんが撮れなくて、肩を落として歩いていたら、少し先の民家のガレージ前に「見返り美ネコ」がいた。ミステリアスで謎めいた眼差し、哀愁を湛えた瞳は「科捜研の女」(沢口靖子)のように見えなくもない。ほぼ初対面のネコなので、誰何するかように注意深くカメラを見つめている。慌てて逃げ出さないところに、哀愁の秋ネコの年輪を感じさせる。《季節は秋、日がな一日、気怠く暗く静まりかえって、空から雲が重苦しくたれ込める中を、わたしはただひとり馬に乗り、無類なほど鬱蒼とした地方を旅していた。そしてとうとう、夜のとばりがあたりを包むころ、陰鬱なるアッシャー家の屋敷を目にすることになったのだった。なぜかはわからないが、その屋敷を一瞥するやいなや、度し難いほど暗い気分が心に沁み込んだ》‥‥アキちゃんのメランコリアックな表情はアッシャー家を訪れた主人公の心情を反映しているかのようだ。

    #468│ゴル│飼い猫 ── 可愛いコトラちゃん
    都電A川線沿いの民家の前に数匹のネコがいた。親子・親類・縁者・兄弟姉妹なのか、皆さんキジトラの縞模様で容貌も良く似ている。近づくと警戒心の強いネコはガレージの奥や停車中のクルマの下へ逃げ込んでしまうが、人馴れしているネコは自ら近寄って来て毛並みを撫でさせてくれる。足に擦り寄って頭で匂を付けたりもする。数年前に撮ったことのある大人しい大柄のキジトラは裏手に住んでいるタクシー運転手の飼いネコだと聞いたという話を女飼主にすると、「運転手がネコを置いて引っ越してしまったので、今は私が室内で飼っているの」と話す。民家の窓からは他のネコも見える。小柄のゴルちゃんはピンと立った左右の耳が大きくて聴覚の感度が良さそうだ。逆三角形の顔立ちは「ねこのピート」が弾くフライングVを想わせる。「太っちょ女」の記事には相応しくないネコちゃんですが、ゴルちゃんの可愛いさ免じて許して欲しい。

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第52集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ460匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。今回は珍しく2匹のスコちゃんが撮れました。ネコの写真を10年以上撮り続けていますが、スコティッシュ・フォールドに出遭うのは稀なこと。常連のミスちゃんは人懐っこくて直ぐに仲良くなれたのに、リリちゃんは警戒心が強くて会心のショットは未だ撮れていません。大柄な長毛種のノルちゃんやロシアンブルーのアオちゃんにも魅了されます。夜明けや夕暮れ時を想わせるブルーグレーは非現実的な幻想世界への誘い‥‥別世界への水先案内猫のように見えます。

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    • 記事タイトルの右に一覧リストのリンク・ボタン(黒猫アイコン)を付けました^^

    • オリジナル写真の縦横比は2:3ですが、サムネイルは3:4にトリミングしました

    • 画像周りをプチ・カスタマイズ。外枠を点線から実線に変更して、四隅を丸めました
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    世界の美しい猫 101

    世界の美しい猫 101

    • 著者:レイチェル・ヘイル・マッケナ(Rachael Hale McKenna)/ 大浜 千尋(訳)
    • 出版社:パイ インターナショナル
    • 発売日: 2015/12/10
    • メディア:単行本
    • 目次:短毛種 / セミロングヘア種 / 長毛種 / エイジアン / オリエンタル / その他の種類 / 索引


    九尾の猫〔新訳版〕

    九尾の猫〔新訳版〕

    • 著者:エラリイ・クイーン(Ellery Queen)/ 越前 敏弥(訳)
    • 出版社:早川書房
    • 発売日:2015/08/21
    • メディア:文庫
    • 目次:九尾の猫 / 解説「もう1つの傑作」飯城 勇三


    黒猫・アッシャー家の崩壊 ── ポー短編集 1 ゴシック編

    黒猫・アッシャー家の崩壊 ── ポー短編集 1 ゴシック編

    • 著者:エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)/ 巽 孝之(訳)
    • 出版社:新潮社
    • 発売日: 2009/03/28
    • メディア:文庫(新潮文庫)
    • 目次:黒猫 / 赤き死の仮面 / ライジーア / 落とし穴と振り子 / ウィリアム・ウィルソン / アッシャー家の崩壊


    Pete the Cat | I love My White Shoes

    Pete the Cat | I love My White Shoes

    • Song: I love My White Shoes
    • Publisher: Prekautism.com
    • Date: 2016/09/27
    • Media: YouTube

    タグ:cats catalog
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