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ネコ・ログ #47 [c a t a l o g]

  
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  • 少年は返事をしなかった。ミス・ハスケルは少年の視線をたどった。てっきりサーベル・タイガーなみの猛獣を目にするだろうと思ったが、見えたのは、ストーヴの陰から出て、揺り椅子は自分のものといわんばかりに近づいていくピネロピにすぎなかった。揺り椅子のもとに着くと、一瞬ピネロピは立ち止まり、考えこんだようすですわっている者を眺めた。オテリスはちぢこまり、灰色の目をいっぱいに見開いた。/「あらまあ、はじめて猫を見たようじゃない!」とミス・ハスケル。/ そのときピネロピが少年の膝にひらりと飛び乗った。しばらく彼は動けないようだった。体をガチガチにして揺り椅子にすわったまま、できるだけ背中をのけぞらせ、白い手で肘掛けをきつく握りしめている。ピネロピが膝に乗るだけのつもりだと悟ると、ようやく体の力を抜きはじめた。やがてピネロピが居心地良さそうに体を丸め、目を閉じたあと、彼は片方の肘掛けから手を離し、灰色の、やわらかに脈打っている体をおそるおそる撫でた。
    ロバート・F・ヤング 「ピネロピへの贈りもの」


  • #415│ジン│ノラ猫 ── 見張り、瞠る三毛
    飼いネコのミスとラブ、I袋駅前公園のアンやアキちゃん‥‥最近三毛ネコを撮る機会が増えた(岩合さんは三毛を見かけることが少なくなったとコメントしている)。ネコは自分の毛色を肌の色で差別する(される)人間のように意識することはないけれど、三毛に出会うと嬉しくなる。白・黒・茶色の配色が千差万別で被写体として魅力的だから。白・黒ネコよりも写真写りが良いのだ。3色をパッチワークしたような幾何学模様は白黒パンダよりも複雑で面白い。公園の植込みにいた三毛ネコを撮った。いつも驚いているような表情をしているビックリ眼のジンちゃん。周囲は暗くなって解像度は落ちているが(ISO 2500, f/5.6, 1/100)、黒い瞳も大きくなって、チャームポイントのデカ目が際立つ。夕闇の中から浮き上がる三毛の姿を捉えることが出来た。もちろんネコの嫌がるフラッシュは使っていない。

    #416│スー│飼い猫 ── S島図書館裏のネコちゃん
    S島図書館へ行く道の手前に小さな公園がある。三毛や白黒など、数匹のネコが暮らしていて、何度か写真を撮ったことがある。夕御飯を運んで来るネコおばさんたちと話したこともある。今日は公園のネコとは出会えなかったので、気分を変えて図書館から左へ迂回して帰ることにした。見知らぬ道をネコ歩きするのは新鮮で愉しい。図書館裏手の「私道」を歩いて行くと1匹の白黒ネコがいた。屈んで近寄ると躰を擦りつけて来る。毛並みを撫でると気持ち良さそうに寝転がる。周囲を見回すと、いつも間にか三毛や白茶ネコなども姿を現わしていた。三毛はサンルーフの上で寝そべり、白茶は塀の上で寛ぐ。民家の玄関ポーチの前で白黒ネコ写真を撮った。階段の左上に置いてあるのはネコ用の食器だろうか。家の外壁に「ネコのポスター」が貼ってあるので、この家で飼われている可能性も高い。

    #417│ナオ│飼い猫 ── 塀の上のネコ
    スーとナオちゃんは仲が良さそうだ。手招きするとスーの後から近寄って来る。スーほどには人懐っこくなく、人との挨拶(スキンシップ)が終わると元の定位置へ戻って行く。二等辺三角形の耳がピンと立った白茶ネコ。白い鼻の頭が薄黒く汚れているのは擦りつけてスリスリするから(黒ネコの鼻はテカっている)。塀の上で寛いでいるナオちゃんを撮った。見上げるとサンルーフの上にも三毛がいた。閑話休題。ネコ歩きしていて、ネコ以外の不思議なものに出遭ってしまうことが時々ある。民家の前にいたチャトラを撮り終えて歩き出した時、視界に見慣れないものが入った。ゴミ置き場の手摺りに纏めてある黄色いネットが、跪く人間に見えたのだ。立ち止まって写真を撮っていたら、絶妙のタイミングでネコちゃんが来た!‥‥「路上観察学会」のメンバーではないけれど、ゴミ置き場の「黄色い人と茶虎ネコ」の偶発的な出会いはシュールで愉しい。

    #418│オグ│ノラ猫 ── ネコが3匹もいる!
    従弟が入院したという電話が叔母からあった。「J子医大東医療センター」という病院名に心当たりはなかったが、所在地を聞いてピンと来た。O久図書館からT端方面に行く途中ある病院で、何度か前を通ったことがあったからだ。図書館に立ち寄った帰りに、病院へ見舞いに行く。従弟は意外と元気だった。裏庭にネコがいるという話になって、小学校から帰って来た1人息子と共に裏口から外へ出た。裏庭にネコの姿はなかったけれど、車道を挟んだ公園に数匹のネコがいた。手前で寛ぐキジトラ、その後ろで左を向く白茶、後方のピンボケネコ‥‥ネコを見に行くという従弟の提案は外で喫煙する口実だったのだが、3匹のネコ写真が撮れた。その夜、就寝中に足が攣って目が覚めた。今まで体験したことのない激痛に吐き気も感じて意識を失った。気がつくとダイニング・テーブルの椅子の傍で倒れていた。耐え切れない痛みに脳が一時的に機能停止したのだろうか。熱中症だったのかもしれない。

    #419│ラブ│飼い猫 ── 可愛い子猫ちゃん
    まだ子ネコの面影が残るラブちゃん。子ネコ時代は少女よりも遙に短いから一刻も早く撮りたいのに、公園の植込みの奥に隠れていて滅多に姿を現わさない。人に興味はあるけれど、警戒心は解けない。子ネコの行動・態度を観察していると、その葛藤・鬩ぎ合いが良く分かる。手を伸ばして触れる距離に近づいて来た時に、ネコの躰を撫でられるかどうかが仲良くなれるかどうかの分水嶺になる。まだ触れないので木陰に隠れているところを撮った。手前の木の葉が邪魔をしてオート・フォーカス(AF)が効かないので、タッチパネルでネコの瞳にピントを合せる。AFでピントを合わせた後に、手動で微調整するダイレクト・マニュアル・フォーカス(DMF)を使うと鮮明な写真が撮れる。微調整している間に被写体(ネコ)が動いてしまうこともあるけれど‥‥。白い毛並みと水色の綺麗な目、緑色の木の葉が前ボケしているファンタスティックな写真になった。

    #420│ロウ│ノラ猫 ── 長老ネコ現わる
    「水を飲んでも肥っちゃうのよ」と嘆く肥満女子がいるけれど、どうしてI袋駅前公園のロウは大きな体格なのだろうか。太る体質なのか、それとも大柄な種族なのか?‥‥まるで公園の主(長老)のような貫禄と存在感である。ノラなのに太っているのか、ノラだから太っているのか?‥‥本当のところは良く分からない。最近は飼主がペットの体調管理や食事にも気を遣っているので、1日に何人ものネコおばさん、ネコおじさんからゴハンを貰っているノラの方が丸々と肥っていたりすることも少なくない。公園のネコたちも毛並みも良く堅太りしている。食事係の老若男女が公園に来ると、繁みの奥からネコたちがゾロゾロ出て来る。白、黒、白黒、白茶、三毛、チャトラ、キジトラ、灰色、子ネコ‥‥そして最後に長老ネコが徐ろに登場するのだ。憂いを湛えた哀しそうな表情も神秘的である。

    #421│アキ│ノラ猫 ── 新二重面相参上!
    黒ネコの写真の左に染みのような痕を見つけた。トリミングや拡大をしているので一概には言えないけれど、ほぼ同じ位置に丸い小さな染みがある。遡って確認すると、今年4月以降に撮った写真に痕跡が認められた。ミラーレス一眼(NEX-5N)のイメージセンサーに塵が付着しているのではないかと思って拭いてみたが改善しないので、「ソニーサービスステーション秋葉原」に持ち込んだ。センサーやレンズなどのクリーニングだけならば、明日の午前11時には引き渡せるという。応対してくれた女性が持ち歩いているアルバム(ネコ写真)を目聡く見つけて、暫しネコ談議に花が咲いた。二重面相ネコに似ている実家の錆びネコが人懐っこい。この種に共通する性格なのかしらと訊く。このネコはそうでもないけれど、I袋駅前公園の三毛や飼いネコのスコティッシュは馴れていると話す。翌日の午前中に「センサーとローパスフィルタの中の塵なので、分解清掃する必要がある」という電話が入った。

    #422│ピノ│飼い猫 ── 三毛ちゃんおいで
    チビ三毛のピノちゃんは小心者のビビリネコ。同じ家で飼われている人懐っこいスコティッシュ・フォールドのミスちゃんとは好対照?‥‥真逆の性格のように見える。ピノとの距離を縮めようとすると一目散に走り去り、飼主の敷地内へ逃げ込む。それでも少しは興味はあるようで、ミスちゃんと親交を暖めているのを遠巻きに眺めている。何度か通っている間に顔を覚えてくれたのか、この日はカメラの直前まで接近して来た。慌ててシャッターを切った。思いがけずアップ写真が撮れてしまったのだ。岩合さんはネコの次の行動を予想してカメラを構えると良い写真が撮れるとアドヴァイスしているけれど、予測不能で見当もつかない。本当は甘ったれな性格なのだと飼主が教えてくれたので、ミスちゃんのように仲睦まじくなる日も遠くないかもしれない。

    #423│ゾラ│飼い猫 ── モノクロ・キャット
    都電A川線沿いに某巨大ホームセンターがオープンした。2階が某家電量販店になっているので、ちょっと混乱する。この種の複合店舗が都内では増えているようだ。初めて歩く途次には初めて出会うネコたちもいる。沿線から逸れて民家の建ち並ぶ道を歩いていると、駐車場や路地にネコたちがいた。ある民家の前で白黒ネコに出会う。精悍な顔つきで、眼光鋭く通行人を見つめている。近づいても逃げる素振りを見せない堂々とした態度から飼いネコではないかと思う。ネコの目の色は淡い黄緑、背景はグレーで、夕方特有の青っぽい色調に彩られている。〈モノクロ・セット〉というモノクロ・カヴァのアルバムを紹介する洋楽記事に掲げた写真だったので、iPhotoでカラーからモノクロ写真(B&W)に加工してみた。白黒にしたことで、ネコの引き締まった表情が際立ったのではないかしら?

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    各記事のトップを飾ってくれたネコちゃん(9匹)のプロフィールを紹介する「ネコ・カタログ」の第47集です。サムネイルをクリックすると掲載したネコ写真に、右下のナンバー表の数字をクリックすると該当紹介文にジャンプ、ネコ・タイトルをクリックするとトップに戻ります。ノラ猫や地域猫、飼い猫を差別しない方針で、これまでに延べ400匹以上のネコちゃんを紹介して来ましたが、こんなにも多くのネコたちが棲息していることに驚かされます。第47集は常連ネコに替わって新顔が多い。スー、ナオ、オグなどは初めて出会って撮ったネコたちです。まだ子ネコの面影が残るラブや近くに寄って来なかったピノの可愛い写真が撮れたのは嬉しい。『猫は宇宙で丸くなる』(竹書房 2017)は日本独自編集のネコ・アンソロジー(ニャンソロジー)。シオドア・スタージョンやフリッツ・ライバーなどの中・短篇10作品(初訳4編)を〈地上編〉〈宇宙編〉に分けて収録した「猫にまつわるSFとファンタシー傑作選」である。

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    猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選

    猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選

    • 著者:シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon)/ フリッツ・ライバー(Fritz Leiber)他 / 中村 融(編)
    • 出版社:竹書房
    • 発売日:2017/08/31
    • メディア:文庫
    • 目次:パフ / ピネロピへの贈りもの / ベンジャミンの治癒 / 化身 / ヘリックス・ザ・キャット / 宇宙に猫パンチ / 共謀者たち / チックタックとわたし / 猫の世界は灰色 / 影の船 / 編者あとがき・中村 融

    タグ:cats catalog
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