P A L I N D R O M E〔1 0 0〕 [p a l i n d r o m e]
▢ 自宅、月見うどん味良し、安藤美姫つぐ出汁
〈済んだ規定は痛手、退廃的ダンス〉の解説文にフィギュア少女・安藤美姫を登場させてから、彼女のフルネーム回文を考えていた。「アンドウミキ」→「キミウドンア」の中に「うどん」が隠れていることに気づいて、実家を「安藤庵」に、ミキティを看板娘に設定。「継ぐ」を「つぐ」に変更したのは秘伝の出汁を「注ぐ」と、老舗の暖簾を「継ぐ」という2つの意味に掛けたかったから。後に〈団子3つをミキティは食べた、パイで君を包み込んだ〉という花見回文を作りました(なぞなぞ回文#1の元型)。「花よりダンゴ」のミキティが桜の樹の下で手作りチェリーパイをBFに御馳走するという趣向。「アンドウミキ回文」は「うどん」絡みになってしまうけれど、「ミキティ回文」ならば他にも色々なヴァリエーションが出来そうな気がします。
▢ 桜の散る地の落差
TVドラマの主題歌となった〈SAKURAドロップス〉を聴いていて閃いたサクラ回文。桜前線があるのなら「桜後線」もあって然るべきでしょう。桜の咲く時期に地方差があるように、散る地にも落差があるだろう。個人的にも堅い蕾が残った開花日よりは散り際の桜吹雪の方に風情を感じる。〈桜の散る地の落差〉は11文字の短回文。10文字前後の短回文は〈素敵な木です〉という50音順の回文カルタに纏めてみたが、気に入っている回文は意外と少ない。〈SAKURAドロップス〉は「サクマドロップス 」の掛け言葉になっているところが洒落ている。宇多田ヒカルに対抗して〈MORINAGAキャラメール〉という題名を考えてみたものの、未だに意味が良く分からない。おたくキャラ・森永卓郎のデコメールでしょうか?
▢ 下着穿かずにミニスカ穿きたし
自動筆記、言語実験、ゴロ合わせ、駄洒落‥‥などは、筒井康隆先生の『虚航船団』や『虚人たち』『残像に口紅を』『驚愕の曠野』を挙げるまでもなく、無制限に暴走すると下世話な下ネタ方面へスパイラル状に滑り堕ちて行く。酒宴の会話も酔いが回って来るほどにエロ話にピンクの花が咲く。美しいミニスカ回文を作ろうと思っていたのに、潜在願望の顕われなのか、倒錯した女装趣味の表出なのか、気づいたらミニスカならぬ○○回文になってしまいました。この回文で女性読者を何人失ったことか!‥‥と、今さら悔やんでみても始まらない。中島らも氏の長編ロック小説『バンド・オブ・ザ・ナイト』(講談社 2000)に次のような文章がありました。《イザベル・アジャーニのように欠けて欠けて負なるもの》《きんたまのピクルス、らっきょうと発狂‥‥》。
▢ ピタリ跳び出た小林麻美、6時黒ミサ、芦屋〜函館1人旅
「回文と本文はフィクションです」と断っているけれど、必ずしも創作だけとは限らない。麻美回文の前半部分は「事実」、後半部分がフィクションだったりする。当時の少年マガジン(1973)に付いていたブロマイド裏のスケジュール表には、連続TVドラマ『光る海』の収録日や公開番組、ラジオ出演、サイン会などに混じって「オールスター・バレーボール大会」という記述がある。今では信じられないことだが、70年代には「アイドル水泳大会」や「オールスター運動会」と並んで「バレーボール大会」という特番があったのだ。もちろん女子はブルマ着用である。同じ頃、麻美さんは某女性化粧品メーカのPR誌のインタヴュー記事で、「今まで旅行したところで一番気に入った場所は?」という質問に、「──函館。サビれてるっていうより、廃墟みたいな気がしたわ」と答えている。つまり1人旅の行き先は「函館」でなければならない。「函館」へ続く地名を考えていて「芦屋」を思い着く。「芦屋のお嬢さま」というイメージも悪くない。「黒ミサ」もゴスロリっぽくて良いでしょう。
▢ BIGIビキニずれ、外れても、照れずバレずにキビキビ
2004年三愛水着イメージガールの武田真理子(本文では真里奈)さんが水着ファッション・ショーに出演した。ヴィデオ、カメラの撮影を禁じる場内アナウンスに腰を上げる最前列のアイドルおたくもいたけれど、ショーが始まるや否やピカピカ、バシャバシャ‥‥カメラ小僧、ケータイ女性、デジカメ野郎、エロ親父‥‥入り乱れての無法地帯と化す。この熱気に気圧されてか、撮影を制止する係員は1人もいなかった。言うまでもなく、お宝写真やNGシーンのように真理子さんの水着ブラが外れるハプニングが起こったわけではない。水着ショーの後で歌手デビュー曲〈Like B.B〉も披露!‥‥その後、『特命係長 只野仁』2ndシーズン(2005)にレギュラー出演して、お色気を振り撒いていましたが。
▢ 担任は「髪切り魔」‥‥つまり君が犯人だ!
1人の主人公をめぐる長編ストーリ回文を作ってみたかった。主演はXTCの曲や殊能将之のミステリで有名な「ハサミ男」。シリアスなシリアル・キラーものではなく、若い女性の長い黒髪を狙う通り魔。「断髪魔」「理髪屋」「リス男」「髪切り魔」‥‥と、名前や姿を変えて全6回シリーズになった。最終話の意外なオチが笑えるでしょう。ハサミ男は警察の必死の捜査にも拘らず、今も行方知れず。全国に跳梁跋扈した模倣犯の1人をケータイ探偵ナナ(榮倉奈々が初登場!)が「前代未聞の方法で真犯人を言い当てる」。回文ストーリは難しいですね。最後まで真犯人は正体を現わさない(心理描写をしない)設定でしたが‥‥。もしかしたら「ハサミ女」だったかもしれません。
▢ 水彩抱くドガ、特大サイズ
アート回文を作ろうとしたわけでも、ドガの絵が大好きというわけでもないのに、偶然出来てしまったタナボタ回文です。ドガの水彩画、それも特大サイズ!‥‥しかも画家自身が絵の中に描かれている入れ子式の額縁画。有名なパステル画ではなく「水彩」というところがミソですね。自作解説しようにも一体どうやって作ったか全く記憶にない。会心作というのは案外こんなものなのかもしれません。〈コルシカ・トマト齧る子〉もアート回文、〈ミズスマシの島涼み〉や〈身軽さが飾る髪〉といった短回文も、このパターンでしょうか。回文が完成した瞬間にイメージが湧く。艱難辛苦して理詰めで作った長回文とは全く違う解放感が広がります。
▢ 手にバナナなら食い、笑む榮倉奈々‥‥那覇にて
『ジイジ~孫といた夏』(NHK 2004)、『ダンドリ。~Dance☆Drill~』(CX 2006)、「瞳」‥‥ティーンズ・ファッション誌のモデルから女優の道を歩んで行く榮倉奈々さん。鈴木えみ、徳澤直子、榮倉奈々、北川景子、安座間美優、谷口紗耶香‥‥が一堂に会していた数年前のSevenTeen誌は何度目かの黄金期でしたね。しかし、いつまでもSTモデルが勤まらないのはウィーン少年合唱団と同じ。どんなに可愛い美少女でも20歳を過ぎると「女子高生モデル」としては薹が立つ。奈々さんが最初にST誌に登場した時は、まだ花の中学生でした。このフルネーム回文は苦労したなぁ‥‥「バナナ」を思い着くまでは。彼女がバナナ好きかどうかは分かりませんが、少なくともスニーズ回文ワールドの中の奈々は大のバナナ好きということで諒解して下さい。
▢ あなたと揉めるキス。擦り暈す2mm塗り、ミニスカポリス濃すぎる目許だなぁ
回文100の中の最長作品(37字)。回文は長くなるほど、その努力とは裏腹に意味不明瞭になって行く(40字程度が上限か?)。ミニスカポリス回文はシチュエーションがイメージ出来るので冗長さは余り感じられない。ミニスカポリスとして誰が相応しいかを考えていて、森下千里に決めたのはツンデレ風の性格が気に入ったから。森高千里でも眞鍋かをりでも良かったけれど、2人についてはフルネーム回文を作っていたから(森下回文は難しい!)。まぁ、この千里さんタイプの顔とプロポーションが好みということで‥‥森下婦警は他の回文にも登場しています。参考映像「小悪魔デカ目メイク」(DVD)を視ていたら気持ち悪くなっちゃった。エビ天の擬装衣みたいなマスカラは兎も角、インサイドライナーって、瞼の中に黒いラインを入れるんですよ‥‥痛くないのかなぁ。
▢ ニャンコと月見、きっと今夜に‥‥
ネコ回文には〈軽い機敏な子猫何匹いるか〉(土屋耕一)という名作があるのでハードルが高い。シリーズ第1作目〈確か黒猫ね‥‥録画した?〉と同一ストーリという意図はなかったけれど、もしかしたらショコラの飼主は公園でBFにダメ出ししていた亜希子さんかもしれません。犬好きだと自他共に認めていた飼主が猫好きに転じてしまうことがあるらしい。犬好きを公言していた綾辻行人は、奥さんが拾って来た2匹の仔猫の可愛さに絆されて猫に転んでしまったという(「猫に転ぶ」という表現が面白い)。恐らく、その逆はないでしょうね。犬も猫も大好き、犬も猫も大嫌いという人もいますが。「ネコ」ではなく「ニャンコ」としたところに、この回文の真骨頂があります。ネコ回文シリーズは第3、第4弾も予定しているので、お愉しみに。
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回文100の中からベスト10を自選・自作解説してみました。〈スはスニーズのス〉のようにアクセス数上位の記事を10本並べるようには行かないので、一覧表リスト〈PALINDROME 2005-2007〉の5つ星(マイ・レーティング ★★★★★)の中から10作を厳選しました。セレブ(フルネーム)回文、短・長回文、下ネタ回文、アート回文、ハサミ男シリーズ、ネコ回文‥‥という風に個人的な嗜好とバランスを考慮して選んだつもりですが、どうして、あの回文が選ばれなかったの!‥‥という不平不満の声もあるかもしれません。そんな読者は、お気に入りのマイ・ベスト回文を選んでコメントして下さい。「月見うどん」に始まり「ニャンコと月見」で終わる、中秋の名月〜秋の夜長に相応しいセレクションでしょう?
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- 写真はPato Fuのインストア・ライヴ(渋谷タワレコ 8/30)。Fernanda Takai(左)とJohn Ulhôa(右)の2人です^^
- 回文と本文はフィクションです。一部で実名も登場しますが、該当者を故意に誹謗・中傷するものではありません。純粋な「言葉遊び」として愉しんで下さい
なぞなぞ回文第9弾を出題します‥‥正解者には「パリンドール賞」を、正解以外の優秀作品に「スニーズ回文賞」を贈ります^^
〈詠め100回文か△▢◇◯☆も☆◯◇▢△間フイ、かぐや姫よ〉
ヒント:ワガママ姫の無理難題?- 正解回文は〈パリンドル〉にあります^^(2007/10/06)
- 「100回文記念のスペシャルなぞなぞ」を作ってもらいました。スゥ。さま&こにゃさん、ありがとう。腕に覚えのある人は挑戦してね^^
- 「コラボなぞなぞ」の伏字記号の一部に誤りがあったので、お詫びして訂正します。回文作成者のスゥ。さま、イラスト画のこにゃさん、並びに回答回文を考えて下さった皆さん、大変申し訳ありませんでした(2007/10/06 sknys)
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palindrome 100 / sknys - synks / 105

- Artist: Pato Fu
- Label: Tratore
- Date: 2007/08/24
- Media: Audio CD
- Songs: 30.000 Pés / Mamã Papá / Espero / Cities In Dust / Tudo Vai Ficar Bem / A Hora Da Estrela / Woo! / A Verdade Sobre O Tempo / Quem Não Sou / Vagalume / Nada Original / 1000 Guilhotinas

- 出版社:講談社
- 発売日: 1973/04/01
- メディア:雑誌
- 通巻:第757号
- 連載:あしたのジョー / 愛と誠 / デビルマン / 男おいどん / 天才バカボン / 空手バカ一代 / 群竜伝 / 放浪児ケン / レインボーマン / ひとりぼっちのリン / ロボット刑事
















