F A V O R I T E ー A L B U M S 2 [f a v o r i t e s]
MARGARITA Y AZUCENA (Los Anos Luz 2007) Mariana Baraj
女性パーカッション奏者Mariana Barajの『雛菊と百合』は、全曲カヴァ集ながら、チリ、ボリヴィア、アルメニア、アルゼンチン、ケニア、キューバ‥‥と、第三世界の楽曲を好んでアレンジ。7拍子の〈Agua Negara〉、アナログ・シンセで解体された表題曲、エレクトロニカ版のTete Espindolaを想わせる〈Invocacion〉‥‥。プロデュースはLisandro Aristimunoで、3面デジパック仕様のスリーヴ・デザインも素晴しい #40
DIVINIDYLLE (Barclay 2007) Vanessa Paradis
ヴァネッサさま、7年振りの新作。あの悩殺ロリ・ヴォイスが帰って来た。Brigitte FontaineやThomas Fersenは楽曲提供のみ。フランスの鉄腕アトム(髪型がM字開脚!)こと -M- の全面参加は、3rdアルバムをプロデュースしたレニクラを彷彿させる。11曲34分とコンパクトながら、ポップス、ロック、レゲエ、ワルツ‥‥とヴァラエティに富む。自作曲も5曲ある。ジャケ画は旦那が描きました。超豪華限定盤も出ています #39
HIPPOPOTAMOMUS (Creation 1991) Momus
タイトルはカバ(hippopotamus)+ モーマス(momus)の造語で、アルバム・カヴァのミシュランマンの顔も河馬になっている。ところが本家ミシュランからの抗議で廃盤に!‥‥イラストの差し換えを強要されただけでなく、〈Michelin Man〉も削除されてしまう。Zombiesをパクった〈Bluestocking〉では、バタイユ『眼球譚』、サド、マゾッホ、ロレンス、三島由紀夫 etc.‥‥お気に入りの作家や著作が列挙されます #38
SENSAIONS (Cent Pour Cent 1992) France Cartigny
Mylene、RoBERT、Alizee、Emilie‥‥ロリ声のフレンチ娘で忘れられないのが、France Cartignyちゃん(当時20歳)。その美貌とヴォイスに瞬殺されました。デビュー作は国内盤も発売されたのに、今は輸入盤も廃盤らしい。でも本当に紹介したかったのは、巨大なシンバルで顔を隠している2nd《France Cartigny》。彼女がドラムを叩いているのだ!‥‥現在はLes France Cartigny名義のトリオで活動しているようです #37
EXCELLENT ITALIAN GREYHOUND (Touch & Go 2007) Shellac
米インディーズ界の必殺録音請負人Steve Albini率いる3ピース・バンドShellacの7年振りの新作。見開き紙ジャケ仕様のCDはグレイハウンド犬の群れを描いた紙ケースに収められている(オンマウスでカヴァーとスリーヴ画像が切り替わるようにしました)。アナログ盤のカヴァーは手刷りのシルクスクリーンらしい。前作《1000 Hurts》(2000)のアナログ盤の中に同CD(オマケ?)が入っていたという前科もあります #36
LOOKAFTERING (Fat Cat 2005) Vashti Bunyan
35年振りの2ndアルバム。リズム隊(ドラム&ベース)抜きの純正フォーク・アルバム。VBのヴォイスを彼女の生ギター(アルペジオ)、オーボエ、ハーモニウム、ピアノ、メロトロン、ハープ、ストリングス‥‥が優しく包む。Devendra BanhartやJoanna Newsomの参加も話題を呼んだ。全11曲35分35秒に過ぎ去った年月を想う。最後の曲、〈Wayward〉のハミング・ヴァージョンは、リハ中の隠し録りだった! #35
限定盤は観音開きのデジパック仕様で、柿の精(?)に仮装したBjorkシールが真紅のパッケージを封印している。本来の彼女が帰って来たという評判ですが、内省的な氷の世界やアカペラ・ヒップホップに比べて分かり難い。アフリカのリズム、無国籍ブラスの響き、ジャパネスクな音色‥‥ワールド・ミュージック色は多彩だが、Antonyと共演した2曲の異和感を拭えない。1曲にするか、ボーナス・トラックに収録した方が? #34
SECURITY (Anti 2007) Antibalas
NYブルックリンの人種混成大所帯バンドの新作はEpitaph傘下Anti-からのリリース。ロックでもジャズでもファンクでもないアフロ・ビートが炸裂(全7曲 57分)。10分を越える長尺曲2曲を含む。基本的にインスト中心だがヴォーカル曲もある。初期衝動を音楽に昇華。強靭で柔軟、エレガントで洗練‥‥都会の空にアフリカの爽やかな風が吹き抜ける。John McEntire (Tortoise)のプロデュースで音響的にも素晴しい #33
THE BIRD & THE BEE (Metro Blue 2007) The Bird & The Bee
故Lowell Georgeの愛娘(!)Inara GeorgeとGreg Kurstin (Geggy Tah)のポップ・デュオ「トリハチ」のデビュー・アルバム。電子レンジで温めるめるだけの調理品。Stereolabの簡易版という感じです。緻密に構築されていないところが逆に一般ウケする要因なのかもしれません。リズムの冒険よりは転調の妙かな。Gregのふんわり浮游サウンドとInara嬢のキュート・ヴォイス(顔に似合わない?)はクセになりそう #32
BY THE BLUE (Stuck 2002) Rosie Brown
Q Magazine ★★★★ (Jan 2002): "...this is the sort of music Roni Size might be making if he'd discovered Joni Mitchell instead of drum machines"── J. Mitchell風の生ギター・サウンドにジャズ風味。アクースティック・ドラムンベースがグルーヴを生む〈Bliss〉、私達が青い大きなビルの最上階を所有したらと想像する〈Big Blue Building〉、ギターとヴォイスの掛け合いが白熱する〈By The Blue〉 #31
EMPEROR TOMATO KETCHUP (Elektra 1996) Stereolab
TortoiseのJohn McEntireとHigh LlamasのSean O'Hagan が参加した《トマト・ケチャップ皇帝》は、ポスト・ロックの夢とマジックに満ちている。Lætitia Sadierの投げ遺りな低温ヴォイスと、Mary Hansenの甘ったるいコーラス。ブヒョブヒョ・ブヒブヒなアナログ・シンセ。5拍子や7拍子‥‥ポップス感覚と実験性の2重螺旋がリスナーを踊らせずにおかない。ポピュラー音楽において、歌の上手い下手は関係ない #30
ULTRA WAVE (Warner Bros.1980) Bootsy Collins
髪型を最新流行のニュー・ウェイヴならぬ「ウルトラ・ウェイヴ」にしちゃって再就職?‥‥George Clintonとの共同プロデュース。全7曲、長尺曲が大半を占める。「J・O・B for My B・A・B」というリフレインが印象的な〈F−Encounter〉、ドワップ調の〈Is That My Song〉、必殺のブーチィ・バラード〈Sacared Flower〉、猫好きには堪えられない〈Fat Cat〉。Bootsyの七色ベースに酔い痴れようではないか #29
FRIEND OPPORTUNITY (Kill Rock Stars 2007) Deerhoof
1人メンバーが抜けてトリオ編成になった「鹿爪」のニュー・アルバム。THE WIRE誌で「不協和音色のキャンディ」と評されたように、10個のスウィート・キャンディにアヴァンポップな天然果汁や生乳ミルクが凝縮されている。〈ESPを信じなさい〉〈チョコ・ファイト〉〈紙マッチは狂人を求む 〉etc.‥‥タイトルも面白い。タワレコのインストア・ライヴ(1/20)も愉しかったですよ #28
SCALE (Accidental 2006) Herbert
〈Harmonise〉でネコ(?)が「んにゃ」と鳴く。ブック型ジャケに、このアルバムに使われた635点のオブジェが掲載されている。シールド、コード、アダプター、マイクスタンド、譜面台、ヘッドフォン、マイク、スティック、吹奏楽器、弦楽器、ハイハット、ドラム、鐘、ピアノ、キーボード、スピーカ、コンピュータ(Mac)、iPod、デジカメ、ヴィデオカム、ケータイ‥‥。このオケで歌うのは大変かも? #27
SONGS FOR CHRISTMAS (Asthmatic Kitty 2006) Sufjan Stevens
スフィアン君のXmas Box(5CD 全42曲!)は2時間以上の太っ腹企画盤。2001〜2006年のプライヴェート・ミニアルバム5枚をコンパイル。〈きよしこの夜〉〈ジングルベル〉等の定番ソングに自作17曲をプラス。40頁のブックレット(歌詞・伴奏コード・歌唱&演奏指導付き!)、ポスター&コミック、アニメ、動物シール(5種)etc.‥‥これで邦楽盤1枚の値段より安いんだから笑っちゃう。国内盤は未発売だよ #26
BEETHOVEN CHOPIN KITCHEN FRAUD (siesta 1999) Loveletter
《"SIR"》から10年後、ルクセンブルグ王が還って来た!‥‥Mr.ラヴレターと名前を変えて。仏elレーベルの流れを汲むスペインsiestaからのリリース。Louis Philippeのアレンジで完璧に再現。Quincy Jones(『ミニミニ大作戦』のサントラ曲)や、The Bee Gees、Syd Barret、The Association(仔猫の鳴き声!)‥‥など、選曲も洒落ている。甘酸っぱい青春の記憶が甦ります #25
"SIR" / ROYAL BASTARD (el 1989) The King Of Luxembourg
少女マンガから抜け出て来たような美形騎士。ルクセンブルグ王にコスプレしたSimon Fisher Turnerの2in1CD(全23曲 74分19秒)。1stはカヴァー曲中心、2ndはオリジナル曲となっていますが、ヒネくれたノイズ混じりのポップス感覚は共通しています。〈Poptones〉のカヴァに痺れちゃう。国内リマスター盤(紙ジャケ仕様)はバラ売りなので、質か量かの悩みどころ‥‥輸入CDは「廃盤」なんですか? #24
DIWAN 2 (Wrasse 2006) Rachid Taha
アラブ圏のヒット曲をカヴァーした《Diwan》(1998)の続篇。《1》に顕著だった打ち込み主体のテクノ装飾は排除され、恐らく原曲に忠実な作品集(自作2曲を含む)になっている。「♪保安官の大嫌いなロック・ザ・カスバ!」とBrian Enoも合唱していたアラブ・ロック大爆発の《Tekitoi》(2004)に比べれば派手さに欠けるものの、濃厚なアラブ歌謡にドップリと浸れる。〈Turban Disturbance〉? #23
THE AVALANCHE (Asthmatic Kitty 2006) Sufjan Stevens
2005年屈指のアルバム 《Illinoise》のアウトテイク集(全21曲 76分) 。〈Chicago〉の3ヴァージョンを挿みながら未発表曲が並ぶ。オリジナル作に劣らない高クオリティに吃驚。ブロークン・ギターを堪能出来るなど、ロック色も濃い。US盤《Illinoise》から「消えたスーパーマン」に扮したスフィアン君のジャケット(イラスト)も意味深です 。次のアルバム(全米50州シリーズ)は「California」という噂ですが #22
DEBUT (One Little Indian 1993) Bjork
The Sugarcubes解散後の文字通りの「デビュー」作。Jean Baptite Mondinoの撮ったジャケ写真、Nellee Hooperのプロデュース。Talvin Singhのタブラ、ジャマイカ(レゲエ)とカリブ(スティールパン)とインド(ストリングス)が融合した〈少年ヴィーナス〉に象徴される、非西欧的なアプローチの金字塔。UK初回盤CDには24頁の別冊「ソングブック」が付いていました(詳細は〈少年ヴィーナス〉を参照して下さい)#21
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- 記事が長くなって来たので〈FAVORITE ー ALBUMS〉を〈1〉と〈2〉に分割しました。サイド欄のタイトルバーは〈2〉にリンクしています。新記事ではありませんが、初めて目にする読者もいるでしょう^^
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