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F A V O R I T E ー A L B U M S 10 [f a v o r i t e s]

  • CLIO (Ugo & Play 2016) Clio


  • クリオは東フランス・ブザンソン出身の女性SSW。オースマン通りを自転車で逆走する〈Haussmann à l'envers〉、2010年1月に亡くなった映画監督エリック・ロメールを偲ぶ〈Éric Rohmer est mort〉、恋人(マシュマロ)との別れを描いた〈Chamallow's Song〉、自転車を自在に乗りこなす子供たちを歌った〈Des équilibristes〉‥‥仏盤のアルバム・カヴァはポートレイトをイラスト風に加工処理。歌詞ブックレット(15頁)はデジパックの見返しに貼付されているので外せない 200



  • PALERMO HOLLYWOOD (Riviera 2016) Benjamin Biolay


  • ブエノス・アイレス北東部のパレルモ地区。ボルヘスが幼少期を過したことでも知られるパレルモ・ビエホは1990年代半ばにTVプロデューサなどが住み着いたため「パレルモ・ハリウッド」と呼ばれるようになったという。バンジャマン・ビオレーの10thアルバムは「南米の歓楽街」の過去と現在を交錯させて夢幻のように描き出す。フットボールの実況中継やボルヘスの朗読詩を引用。青い透明スリップ・ケースに入った3面見開き紙ジャケ仕様。裏面に歌詞を記載した12折りポスター付 199



  • AMOR GERAL (Sony Music 2016) Fernanda Abreu


  • リオのファンク女番長フェルナンダ姐さん。12年振りの6thアルバムはLiminhaの鉄板プロデュース。Africa Bambaataがゲスト参加した〈Tambor〉。Liminhaがプログラミング、ベース、ギター、キーボードを担当した〈Deliciosamente〉‥‥ヴォコーダ、トークボックス、ループ、サンプリングなどが耳を擽り、心地良いビートが躰を痺れさせるエレクトロ・ファンク。ブラジル人写真家ギ・パガニーニ(Gui Paganini)が撮った挑発的なポートレイト・カヴァほど過激ではないけれど 198



  • THE MAGIC (Polyvinyl 2016) Deerhoof


  • 鹿蹄の13thアルバムはMatsuzaki Satomiの「The Magic」というタイトル・コールから始まる。1曲目の〈The Devil And His Anarchic Surrealist Retinue〉からして、日本語が飛び出す破天荒ぶり。Satomi(ベース)とGreg Saunier(ドラムス)に加えて、Ed RodriguezとJohn Dieterich(ギター)のヴォーカル曲も収録された全15曲、40分。パンク、ポップ、メタル、グラム、ノイズなど‥‥鹿爪らしいアヴァン・ポップが詰まっている。Satomiが描いたアートワークもシュール 197



  • BRINQUEI DE INVENTAR O MUNDO (Maravilha 2015) Jozi Lucka


  • ジョジ・ルッカ(Jozileide de Oliveira Fernandes)はリオデジャネイロ州ノーヴァ・フリブルゴ生まれの女性SSW。3rdアルバムはMoreno Velosoのプロデュースで、彼女と共作しているNenung(ヴォーカル)とPedro Sa(ギター)が2曲でゲスト参加している以外、すべて2人でレコーディング。Joziはギターとグロッケンシュピール、Morenoはギター、ドラムス、ベース、チェロ‥‥など、全ての楽器を演奏。ブラジル・ポスト・ロックのサウンドになっているころが最大の魅力 196



  • COSECHA (Independente 2016) Ana Larrubia


  • アナ・ラルビアはアルゼンチン・ブエノス・アイレス在住の女性SSW。デビュー・アルバムはインスト3曲を含む全10曲を収録。〈Epitafio〉にギター、〈Extranjera〉にベース、ピアノ、メロディカが加わる以外は、彼女のアクースティック・ギター弾き語りというミニマムな編成。ナチュラルなヴォーカルと生ギターの奏でる音色が心地良い。デジパックのインナーには釣りをする白ネコ、歌詞ブックレット(8頁)の表紙にもギターを弾く白ネコが描かれている「隠れ猫ジャケ」にゃん 195



  • COLECAO (Phonomotor 2016) Marisa Monte


  • ベスト・アルバムではなく、Marisa Monteがブラジル内外のアーティストとコラボしたオリジナル・アルバム未収録曲集。Devendra Banhart、Rodrigo Amarante、Cesaria Evora、Arnaldo Antunes、Gustavo Santaolalla、David Byrne、Julieta Venegas、Carminho‥‥アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、カーボ・ヴェルデ、ポルトガルなど多彩なアーティストと共演している。フランチェスコ・クレメンテ(Francesco Clemente)の描いたアルバム・カヴァも◎ 194



  • HOPELESSNESS (Rough Trade 2016) Anohni


  • 「性転換」したアントニー・ヘガティ(Antony Hegarty)改めアノーニ(Anohni)のソロ・アルバム。男なのか女なのかという穿鑿は意味がない。彼女はフロルベリチェリ・フロルのようなトランスジェンダーだった。重要なのは女性化して、どのような音楽に変化したかである。Hudson Mohawke(Ross Birchard)、Oneohtrix Point Never(Daniel Lopatin)とコラボしたデビュー・アルバムはエレクトロ色が濃い。Bjorkとデュエットした〈Atom Dance〉の延長線上にあるのだ 193



  • COMPLETE MUSIC (Mute 2016) New Order


  • 脱退したPeter Hookに代わりPhil Cunningham(ギター)、Tom Chapman(ベース)を新メンバーに加えて5人組となったNew Order。10thアルバム《Music Complete》(2015)のエクステンデッド・ミックス・アルバム(2CD)にはオリジナルと同じ曲目・曲順で11曲を収録。音楽史上最も売れた12インチ・シングル〈Blue Monday〉(1983)を例に挙げるまでもなく、New Orderと長尺ミックスは元々相性が良い。オリジナル・アルバム全曲のダウンロード・コード付きです 192



  • LOST TIME (Hardly Art 2016) Tacocat


  • タコキャットの3rdアルバムは20体以上の猫時計(馬時計も紛れ込んでいる)に彩られた「猫ジャケ」。アルバム・タイトルや地球を背景にしたメンバー4人のサイケデリックな衣裳(裏カヴァ)、UFOのイラストなどから、米SFドラマ「宇宙家族ロビンソン」(Lost In Space)を模していることが分かる。〈Dana Katherine Scully〉は「X-ファイル」に登場するFBI特別捜査官の名前。全12曲・30分に満たないアルバムだが、〈Leisure Bees〉の後に何故か3分半の無音部分がある 191



  • ADENTRO FLORESTA AFORA (Independente 2016) Leonora Weissmann


  • 《Motivo》(Nucleo 2012)で華麗なスキャットを披露していた女性歌手のソロ・デビュー・アルバム。Rafael Martini、Alexandre Andrés、Rafael Macedoなど‥‥新ミナス派のバックアップによって、ロックでもジャズでもフォルクローレでもない21世紀の新しい音楽を創出。浮游感のある優雅なサウンドに変幻自在のスキャット・ヴォイスが宙を舞う。全12曲・60分。画家として広く知られる彼女のアートワークに彩られた3面紙ジャケ仕様。歌詞ブックレット(20頁)付き 190



  • SPACE & TIME (Les Disques Du Crepuscule 2016) Deux Filles


  • Colin Lloyd TuckerとSimon Fisher Turnerによる女装デュオ「2人の女の子」が33年振りに帰って来た。年齢や性別は兎も角、2人共に面長な顔立ちなので、年齢不詳のフレンチ女性、Gemini ForqueとClaudine Coleに巧く化けている(コスプレ、オネエ・ブームの日本で話題にならないのが不思議にゃん)。ソラリゼーション化した白黒のアルバム・カヴァが妖しく危険なオーラを放つ。変身願望や女装趣味はないけれど、インナー・ブックレットのポートレイトに蠱惑されそうです 189



  • PAINTING WITH (Domino 2016) Animal Collective


  • アニコレの10thアルバムはAvey Tare、Geologist、Panda Bearの3人でレコーディング。インディ・ロックに踏み留まった《Centipede Hz》(2012)から転じて、ヴォーカル・パートの多いポップ・アルバムとなった。Brian DeGraw(Gang Gang Dance)が描いたアルバム・カヴァは全3種(カヴァに使われなかった2人のイラストはインナーに掲載)。Panda BearのコラージュにはLinton Kwesi Johnsonが階段を降りる《Bass Culture》(1980)のイラストが引用されている 188



  • ADORE LIFE (Matador 2016) Savages


  • ロンドンを拠点にする女4人組ポスト・パンク・バンドの2ndアルバム。クールで艶やかなJehnny Bethのヴォーカル、ノイジーで硬質なGemma Thompsonのギター‥‥アルバム・タイトルの咆哮バラード〈Adore〉、フィードバック・ギターがノイズを撒き散らしながら音像空間を浮游するスロー・ファンクの〈Slowing Down The World〉など、猪突猛進するパンクの範疇に収まらない。この魅惑的な深化はポスト・ロック・バンドと呼ぶべき。全10曲・39分、九つ折りの歌詞付き 187



  • MAEANA (Joia Moderna 2015) Ana Claudia Lomelino


  • Bem Gil(Gilberto Gilの子息)率いるTonoの女性ヴォーカリスト、アナのソロ・アルバム。ネイルチップのスリップ・ケースを引き抜くと、デジパック仕様のアルバムが現われる。彼女は母親になったらしく、八つ折り歌詞カードの裏は気味悪いマタニティ・フォト。夫ベンのプロデュースで、Domenico(ドラムス)、Pedro Sa(ギター)、Mestrinho(アコーディオン)などが客演。Caetano VelosoとAdriana Calcanhottoのカヴァも収録。気怠い午後のような幸福感に包まれている 186



  • LAY LOW (Barclay 2015) Lou Doillon


  • Jane Birkinの末娘Lou Doillonの2ndアルバム。同じ母親から産まれた異父姉妹でもウィスパー系のCharlotte Gainsbourgとは大違い。ルーの情念の籠ったヴォーカルには凄みさえ感じられる。義姉Kate Barryの死(2013年12月、自宅アパルトマン4階の窓から転落死!)が契機になって制作されたという。Taylor Kirk(Timber Timbre)のプロデュース。全曲英語詞(11曲・32分)。見開き3面紙ジャケ仕様。歌詞ブックレット(20頁)付き。「カストール爺の生活と意見」を参照 185



  • MY LOVE IS COOL (RCA 2015) Wolf Alice


  • 2010年、ロンドンで結成された男女混成4人組。紅一点Ellie Rowsellのヴォーカルが特徴的だが、サウンドはネオ・アコ、グランジ、シューゲイザー‥‥と猫の目のように変化する。キティ・エンパイア女史は「狂ったインディ・ロックの魅力的な変種」(an engaging strain of off-kilter indie rock)と評していた。オリジナルUK盤(Dirty Hit)は全12曲(国内盤は4曲多い)。US盤には先行シングル〈Moaning Lisa Smile〉が追加収録されているので、安い輸入盤を買う人は要注意 184



  • GOO (Geffen 2012) Sonic Youth


  • 《Goo》(DGC 1990)にアウト・テイクやシングルB面、カヴァ、デモ・ヴァージョン(8トラック)などの音源20曲を追加した2CD「Deluxe Edition」。分厚いデジパック(2005)だったが、再発盤(2012)は通常のプラケースの中にCD2枚とブックレット(28頁)が収まっている。デモ・ヴァージョンを聴くと、8割がた完成されていることが良く分かる。オリジナル・アルバムはリマスターされて音質が向上しているのに、「Deluxe Edition」しかリリースされていないのが残念! 183



  • CAPTAIN OF NONE (Thrill Jockey 2015) Colleen


  • パリ生まれスペイン在住のマルチ・インストゥルメンタリストColeen(Cécile Schott)の5thアルバム。《The Weighing Of The Heart》(2013)から自ら歌うようになって、Julia HolterやJulianna Barwickなどの妖精系エレクトロニカへ進化した。彼女のサウンドを特徴づけるのはヴィオラ・ダ・ガンバ(viola da gamba)というチェロに似た古い擦弦楽器。澄んで軽やかな音色に儚げな多重ヴォイス&コーラス、不穏なダブの要素が加わる。全8曲(インスト4曲)、歌詞は英語 182



  • HAVE YOU IN MY WILDERNESS (Domino 2015) Julia Holter


  • Julia Holterの4thアルバムは驚くほどポップで親しみやすい。《Loud City Song》(2013)に引き続き、Cole M. Greif-Neill(Ariel Pink、Nite Jewelの夫)との共同プロデュース。キーボード、ベース、パーカッションにサックス、クラリネット、ヴァイオリン、チェロという編成は一見オーソドックスだが、ロックでもジャズでもクラシックでもない新しい音楽(アヴァンポップ)を切り拓く。浮世離れしたヴォイスは妖精のように可愛くドリーミーで、リスナーを彼女の桃源郷へ誘う 181


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