So-net無料ブログ作成
検索選択

人魂がまた飛び [p a l i n d r o m e]



▢ ダメ裁判官捕・桐谷美玲と女子トイレ見に、他力本願は諌めた
裁判員の1人として選ばれた私は他の裁判員と共に、ある刑事事件の公判を審議することになった。某私立大学構内の女子トイレで起こった傷害事件‥‥「女子大生トイレ暴行事件」である。この事件がメディアで話題となったのはトイレ内に盗撮カメラが仕掛けられていたから。監視カメラはトイレの出入口にあるけれど、防犯効果よりもプライヴァシー面を考慮して通常トイレ内に設置されることはない。ところが皮肉なことに、誰かが盗撮目的で個室トイレ内に隠したカメラが犯行の一部始終を録画していたのだ。鮮明なヴィデオ映像によって、すぐに犯人は逮捕されたが、裁判員たちを悩ませたのは盗撮カメラを設置した人物が暴行犯と同一人物かどうかという点だった。被告は暴行したことは認めているものの、盗撮カメラについては完全否認している。この日も裁判員たちの間で激しい議論が交された。被告が自分の不利になるような証拠を残すはずがない。ヴィデオに撮ることで性的に興奮する変態性欲者なのだ‥‥云々。「現場百回」の教え通り、私は裁判官補の女性と2人で犯行現場の女子トイレへ向かった。何1つ自分で判断せず、一言も見解を述べようとしない優柔不断の裁判官補に逆上して声を荒げた‥‥暴行犯も盗撮魔も、私たち「女の敵」じゃないの!

▢ 仕組みとカラクリ、プチ・プリクラが富くじ
少女マンガのヒロインみたいな「デカ目」になったり、美人モデルのような「美顔」になったり‥‥最新のプリクラ機能は凄いらしい。プリント・シールの裏にコード番号が入っている新種プリクラには「富くじ」が付いている。お菓子のパッケージや飲料水の缶やボトルに貼ってあるシールの抽選番号と同じように、サイトに入力することでプリクラ専用のプリペイドカードなどの賞品が当たるという。一昔前の懸賞は商品に付いているバーコードやマークを葉書に貼付して応募していたが、最近はネット上のサイトにシリアル番号を入力するようになって来た。懸賞に応募することで、住所、氏名、年齢、性別などの個人情報を売り渡す。各種の無料サーヴィスもメール・アドレスの登録が暗黙の前提となっている。ネット通販がリアル店鋪で購入するよりも安い理由の1つは利用者の個人情報を労せずに得ているからである。新潮国語辞典を引くと「富籤」の項には「江戸時代、社寺などから番号をつけた富札を売り出して抽選し、当選者に規定の賞金を払った賭け事」とある。

▢ ツナマヨ巻きネバネバ、ねぎまよ真夏!
鉄火、カッパ、干瓢、沢庵、納豆、ネギトロ‥‥など、海苔で巻いた円柱状の巻ものはオニギリと並ぶ日本のファースト・フードだと思う。オニギリは両手を使うが、海苔巻きは片手で食べられる。大口を開けないと丸齧り出来ない具沢山の太巻きよりも、スリムなスティック状の細巻きの方が食べ易い。体力が消耗し、食欲も減退する夏期にはネバネバした食べものが疲労回復やスタミナ源になるという。巻もので言えばナットウ巻きやネギトロ巻き‥‥簾で棒状に巻くのも良し、円錐状に手巻きするのも愉しい。夏バテで冷やしソーメンや冷麦ばかりを食べていたM君も「ツナとマヨネーズ巻き」を試してみた。オニギリの具にもなっている「ツナマヨ」は白飯との相性も抜群で、巻きものにしても美味しい。海苔巻きと緑茶の午後‥‥日本人に生まれて来て良かったなぁ。友人のNさんにツナマヨ巻きを勧めると、彼女は「日本の夏は焼き鳥と麦酒でしょ!」と断乎主張して、丈夫そうな犬歯で竹串から引き抜いた「ねぎま」を頬張る。

▢ 遠く轟きゴロゴロゴロ‥‥5km届く音
O子神社田楽舞を見に行って来た。叔母と幼い甥も遊びに来るというので、神社の境内で待ち合わせた。少し早く着きすぎたのか、まだ見物客は疎らだった。本殿の前庭には四角い舞台が設置され、正面の参道の左右にはロープが張られている。恐らく舞子たちの行列が入ってくるための道として開けてあるのだろう。強い陽射しの真夏の猛暑日でなかったのは幸いしたが、逆に真っ黒い雨雲に覆われた空模様が怪しい。どんよりと曇った墨色の空の彼方から遠くゴロゴロゴロという雷鳴も聞こえて来る。今にも雨が降って来そうな不穏な天候。小心者の甥は両耳の孔に人差し指を入れて蹲ったり、ウロウロと歩き回ったりして終始落ち着きがない。小さな音で轟く遠雷くらいで怖がっているような弱虫小僧では、幼稚園や小学校へ入ったら臆病者として苛められるのではないかと甥の行く先が思い遣られる。8人の舞童の中には小学生や女子児童もいるというのに。

午後4時頃、田楽行列が神社に到着する。何本もの太刀を差した鎧兜の武者が舞台に上がって四方を突き「露祓い」、氏子総代衆による「槍合わせ」、お迎えの使者が傘打の子供たちに「まだまだ」と囃し立てられて追い返される「七度半」、中門口で披露される「田楽舞奉納」‥‥その前後から雨粒がポツポツ落ちて来て、「七度半」が「三度半」に短縮されただけでなく、舞台での演目も途中で中止を余儀なくされてしまったのは残念だったが、この雨模様では仕方がないのかもしれない。大きくて重たい一眼レフ・カメラを持参した人たちも腕の振いようがなかったようだ。花笠に赤い紙垂で顔を隠した異形の舞童たちの躍り(ピョンピョンと跳ねる人間離れした動作は「踊り」ではなく「躍り」という言葉が相応しい)は可愛くもあり、妖しくもある。恒例の「福まき」でハンド・タオル3枚と菓子袋をゲット。お菓子の詰まった袋を幼い甥にプレゼント出来たのは良かったなぁ。除災来福、魔事退散!

▢ 花畑摘みで見つけた花は?
昼休みの少年たちは土煙の立つ埃っぽいグラウンドでサッカーに興じる。少女たちは校庭の隣にある花畑で花飾りを編む。髪や首や腕に飾る可憐な花の輪‥‥。望都さんの通っていた中学校の周辺にも水田や麦畑があり、すぐ傍には小川も流れていたという。《校庭の畑の境がしろつめくさの群生地になっていて、春には緑のじゅうたんの上に、白い花盛りでとてもきれいだった。自習時間、少女たちは日当たりのいい校庭に走りでては、つめくさの群れの中で花かざりを編むのです》‥‥萩尾望都の花飾りはシロツメクサ、「花の首飾り」はヒナギクだった。スミレ、ハス、アネモネ、オミナエシ、ミモザ、サフラン、ナズナ‥‥少女たちが「花畑摘みで見つけた花は」何の花だったのかしら。「見つけた花は菫、枯れ水、花畑摘み」「見つけた花は蓮、アネモネ、明日は花畑摘み」「見つけた花は女郎花、挿絵並み、お花畑摘み」「見つけた花はミモザ、笹、樅、花畑摘み」「見つけた花は確かサフラン、全裸婦探した花畑摘み」「見つけた花は薺、花畑摘み」。

▢ アシカ、穴場のアヒルさん。サルビアの花、アカシア
「穴場のアヒルさん、こんにちは」「海辺のアシカくん、久しぶりね」「今年の夏も暑かったなぁ。熱中症にならなかった?」「熱中症よりも放射能汚染の方が心配よ。私の泳ぐ池も食べものも原発事故が撒き散らした放射線に汚染されているかと思うと、怖くて震えちゃうわ。ところでアシカくんの好きな花の歌は?」「僕の大好きな歌は「アカシアの雨がやむとき」。ちょっと古すぎるかな。西田佐知子という歌手のヒット曲なんだけど」「私は「サルビアの花」かしら。オリジナルは早川義夫なんだけど、知ってる?‥‥サルビアの花びらが舞い散る季節に失恋した男の女々しい曲なのに、心の中に沁みるものがあるのよ」「アカシアも失恋した女の虚無的な歌だよ。3番の歌詞なんかオカルティックだし。題名はアカシアの並木に降る冷たい雨という意味らしいけど、アカシアの黄色い花が降るシュールなイメージもある」「サルビアも赤い花吹雪が鮮烈なのよね。クリスマス・イヴの夜にデートの待ち合わせをしていた男の歌も失恋ソングだったわ」「そうか、花や雨や雪などが空から降って来る情景の歌は必ず主人公が振られちゃうのか!」「放射能雨だけは降って欲しくけどね」

▢ 捏ねる粘土、ふわふわフトン寝るネコ
主婦のFさんは粘土工作教室へ通っている。今日の実習課題は「眠る猫」だった。同心円状に並べられた作業机の中心にモデルの縞ネコが鎮座している。赤い座布団の上で気持ち良さそうに寝ているはずのモデル・ネコが、見知らぬ人たちの真剣な表情で見つめる眼差しに緊張したのか欠伸をしたり、毛繕いをしたりして落ち着かない。何度も座布団の上から逃げ出してしまう始末。ネコ写真を撮るのは難しいというけれど、デッサンや写生は写真以上に困難を窮める。まして立体の粘土細工は実物よりも小さなミニチュア・サイズと雖も、思っていたよりも遙かに難しい。Fさんは粘土を捏ねながら、家で飼っている愛猫のことを思い出す。目を瞑っているのが唯一の救いだわ。周囲の明るさに応じて刻々と変化するネコの瞳を正確に捉えるのは至難の技だから‥‥。ふわふわした毛並みや座布団の感触を粘土で再現するのも難しそう。粘土で作るのはネコちゃんだけにして、ミニ座布団を手縫いして作っちゃおうかと考えている。

▢ ウソ見透かして「地デジ化」済みそう
2011年7月24日正午、アナログ放送の最期を看取ろうとしてTV(23年前に購入)を視ていたのに、時計の針が午前12時を回ってもアナログTVが映っている。キツネに摘まれたような気分になり、ネットで調べてみたら、各地のケーブルTV局(CATV)が「デジアナ変換」していることが分かった。デジタル信号をアナログに変換する「デジアナ変換」は総務省の要請による暫定的な措置らしいが、実質上の地デジ化延期ではないか。先日、6月分の朝日新聞を整理していたら、「愛用アナログTV、地デジでも活用」「2015年3月までの限定 デジアナ変換サービス」という記事があった。しかし、後者はケーブルTVに加入している人の場合で、未契約者のアナログTVも映るとは一言も書いていない。政府、家電メーカ、家電量販店、TV局、新聞・雑誌などの各メディアに騙され、「アナログ放送終了」直前に慌てて、駆け込みで地デジ対応TVを購入した人も少なくなかったのではないだろうか。某巨大掲示板では「地デジカ」に騙された人たちのことを「情弱」(情報弱者)と揶揄していた。

▢ 死んだ悼んだ、脱衣場に入った団体男子
秋の修学旅行は東北地方に決まった。生徒たち全員の投票〜多数決で民主的に選んだ結果なので誰からも文句は出ていないけれど、11月末に東北方面へ赴くのは明らかに無謀で理不尽だった。真っ白い雪に覆われた十和田湖を目にした高校生の一団は、なぜ温暖な南国旅行にしなかったのかを強く後悔することになる。そして、さらに不幸なことが某都立高生たち一行を待っているとは誰も知る由はなかった。ある温泉旅館に一泊した男子たちは大浴場で、とんでもない事件に出遭う。脱衣場から浴室へ駆け込んだ1人の男子生徒が湯煙で霞んだ湯舟の中に異様なものを発見したのだ。左胸から赤い血を流して仰向けに浮かんでいる男性の死体を‥‥。「ドッキリ!」かと思って笑っていた男子の顔が真っ青に変わるのは時間の問題だった。異変の報せを受けた引率教師と旅館の従業員が駆けつけた時には、数十人の生徒たちは茫然自失状態で浴槽の周りに佇んでいた。目を閉じて震えながら合掌している男子もいる。彼らを正気に戻したのは遠くの方から聞こえて来る救急車の間の抜けたサイレン音ではなく、女風呂から聞こえて来た絹を切り裂くような悲鳴だった(修学旅行者女子専用の風呂とは知らずに一般男性客が闖入して来たのだ!)。

救急隊と警察官が現場に到着する前に、風変わりの容姿の1人の若者と1匹のネコが現われた。偶然この旅館に宿泊していた迷宮探偵・綾取猫人と黒ネコのコロネである。全身黒ずくめの探偵と黒ネコの予期せぬ登場は、まるで中古のタイムマシンに乗って先回りして早く着きすぎてしまった葬儀屋みたいだった。異様な空気に気圧されて湯舟を取り囲んでいた男子生徒たちが黒い2人(1人と1匹)の進路を開ける。迷宮探偵は変死体を一瞥するや否や、まだ発見されてもいない凶器の謎を解く。大浴場内のどこかにクーラーボックスか魔法瓶があるはずだ。自殺か他殺かは兎も角、凶器は旅館の軒先きや周辺の樹木から垂れ下がっている氷のツララだと断言したのだ。犯人もしくは自殺者は先端の鋭利なツララで胸を刺した後で「凶器」を湯の中へ放置する。温泉の熱で「凶器」は跡形もなく溶けてしまったのだと。一瞬言葉を失う男子生徒や教師、従業員たち‥‥その時、バカにしたような笑い声が浴場内に響いた。凶器が「氷のツララ」だったなんて古典的なトリックは「火曜サスペンス劇場」や「土曜ワイド劇場」にだって出て来ないよ。発言したのは「ミステリ同好会」の部長だった。いつの間にか発言主の足許にスリ寄って来た黒ネコのコロネちゃんがニャンと鳴く。

▢「X Day」舐め被曝?‥‥落馬、姫泣いてすぐ杖
三原順の『X Day』の中に墜落した原子炉衛星の破片を拾って被曝した子供が登場する。バカバカしい、砂漠の中に埋もれたハットピンで指を刺すよりも低い確率じゃないかしら。幸運よりも不幸に出遭うことが多いとしても‥‥。可哀相なニュート少年のことを思い出したのは昨夜のTVニュースで、ロシアの打ち上げた人工衛星が軌道を外れて、この近くに落ちて来るというNORAD(北アメリカ大陸防空軍)の発表を聞いたからかも。執事のロアルドは「お嬢さま、今日1日だけは外出を控え、部屋の中で静かに読書でもしてお過ごし下さい」なあんて懇願していたけれど、乗馬は1日足りとも疎かにしたことのない姫の日課。こんな気持良く晴れた日に城の中に閉じ籠っているなんて言う方が全くどうかしているわよ‥‥と思いながら紅葉に彩られた真っ青な空を見上げていたら、上空から真っ黒い影が落ちて来て後頭部に強い衝撃が!‥‥気がついたら落葉の上に倒れていた。落馬したと分かったのは暫くしてからで、同時に頭部と右脚に激しい痛みが襲って来た。傍に転がっていた木の枝を杖にして漸く立ち上がることが出来たけれど、脚の骨折は疑いようがない。城まで歩いて2時間くらいか。愛馬のダールが城へ駆け戻って行ってくれていると良いのだが。

                    *
  • 回文と本文はフィクションです。一部で実名も登場しますが、該当者を故意に誹謗・中傷するものではありません。純粋な「言葉遊び」として愉しんで下さい

  • 萩尾望都の童話集『銀の船と青い海』(河出書房新社 2010)から引用しました

  • 「X Day」回文は「スニンクスなぞなぞ回文 #24」の解答です

 スニンクスなぞなぞ回文 #25

 碇シンジと◯△▢◇☆◎け◎☆◇▢△◯とシンジ理解

 回文作成:sknys

 ヒント:ヱヴァンゲリヲンQ?


                    *





美玲さんの生活。super!

美玲さんの生活。super!

  • 著者:桐谷 美玲
  • 出版社:集英社
  • 発売日: 2011/01/28
  • メディア:単行本(ソフトカバー)

コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0